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すろ〜ふ〜ど
HowTo企画

『絵と文、向かい合わせ。 』



今回からは、文章に対しての絵のありかた、絵に対しての文章のありかた、のようなお話を
していきたいと思います。

さて、初回となる今回第一回目のテーマは「主導権は誰が握る?」です。




■指揮者を決めよう■

いわゆるビジュアルノベルを作るのであれば、シナリオとともにCGが必要となってきますね。
シナリオも絵もすべて自分一人で書(描)くのであれば、シナリオのそれぞれの場面に対して、どんな絵が欲しいかがわかっていますが、シナリオと絵の担当者が分かれている場合は、どの場面にどんな絵を用意するかの指示(CG指定)の作業が必要となります。

絵を描き始めるタイミングについては、「うちではシナリオが完成してから絵を描くよ」とか「プロットを用意したら、シナリオも絵も同時進行するよ」と、各サークルさんごとにルールは違っていると思います。

まず、ここで気をつけたいのは「誰が主導権を握るのか」です。
絵に対する責任・指揮権を誰が取るかをしっかり決めておかないと、スムーズに作業が進みませんし、トラブルの元になりがちですので。


絵を起こすにあたって、主導権を握るのが絵描きか、シナリオライター、もしくはディレクター(スクリプト担当者も含まれます)になるのかで、やり方はずいぶん変わってくるでしょう。

自分たちの間で一番スムーズに作業を進められそうなやり方に合うように、指揮者を決めてください。




■指揮権の範囲■

主導権を握る人を決めたら、その人がどこまで指揮権を持つのかも決めてください。
「自分の仕事」「相手の仕事」の立場、誰がどこまで責任・指揮権を持つか(絵に対して)、を明確にする、ということです。

シナリオライター・ディレクターの場合、枚数などを具体的に指定するほかに、各イラストの構図やキャラのポーズの指定までやってしまうのか、『大体この場面を書いてね』ぐらいで絵描きに任せるのか。
絵描きが主導権を握る場合、シナリオを受け取ったら好きなように描いてしまってよいのか、イラストに起こして欲しい場面について大体の目安をもらうのか、はたまた「こういう絵を描きたいからシナリオにこんな場面書いてよ」というようなことを言っても大丈夫なのかどうか。

こうしたことを決めておかないと、あとで思わぬトラブルになってしまいます。
大前提として、シナリオライターと絵描きが別人である限り、シナリオライターが頭の中で描いたものが、シナリオの文章を読んだだけで絵描きの頭にもクッキリハッキリと描かれるわけではないのですから……。




■イメージのすりあわせ■

主導権を握る人が決まったら、チャットでも、電話でも、じかに顔をつきあわせるのでもいいのですが、ミーティングの機会を持ち、イメージのすりあわせを行う場を設けましょう。

ミーティングの際、以前お話ししたような表があると便利です(『はじめての文章作法』第三回「構成を立てる」参照)。
また、以下のようなメモを用意しておくと、ライターと絵描きの間でイメージの食い違いが少なくなります。

場所:学校の屋上・錆び付いたフェンス有り。遠くには夕焼けに染まる町並み
時間:夕方、秋
主要登場キャラ:ヒロイン・主人公
概要:運命の出会い。夕焼けを見ていた主人公に意味ありげな微笑みで話しかけてくるヒロイン、見とれる主人公
行数:○○行(○○KB)

シーンイメージは具体的なら具体的なほど、後の作業がしやすいと思います。

ここでイメージをできる限りすりあわせしておきましょう。
そうでないと「背景がイメージと違う!」とか「そんなことシナリオには一言も書いてなかった!」と、もめることになったりします。
のちにラフ絵とか絵コンテができあがってきてからリテイクするにしても、二度手間になりますしね。
また、ときには絵の資料が必要な場合もありますから、先にそうだとわかっていた方がいいですし。

ゲームを他人(例えごく親しい友人でも)と作ろうとするのであれば、コミュニケーションをとるということが一番重要になります。


「この作品の目指すところはなんなのか」「どういうお話なのか」ひいては「その作品のテーマを浮き彫りにする・表現するためには個々のシーンでどういうものが必要か」……
そういうものを俯瞰した形で、相手に理解してもらうためには、ただテキストをぽんと渡して「読んでね」だけでは伝えにくいです。

箱書きの表のようなものがあると、実際それをたたき台、ひな形にして絵コンテなどをつくっていってもよいでしょうし、全体的な分量の偏りもわかってきますので、なるべく用意しましょう。
できればまんべんなく配してみたり、「ここがかなり重要」という場面にイベントCGを沢山置いたりすることもできますよ。






主導権を握る人物によって、具体的にどんな風に作業を進めていくか……については、また次回の講釈にて。
では!



文責:漣 夏海&銛 鯱丸(グリーンティミルク。)

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