タイトルロゴ
同人ゲーム制作を語らうゆっくりとしたメディア

すろ〜ふ〜ど
HowTo企画

『絵と文、向かい合わせ。 』



絵と文、向かい合わせ。の第二回です。
今回は、CGの種類と具体的なイベントCG指定についてお話しします。




■必要なCGの種類■

実際のCG指定の作業に入る前に、ゲームにはどのようなCGが必要なのかを考えていきましょう。

◆イベントCG
◆立ち絵(スプライトCGという呼び方も。またフェイス絵を使用する場合もあるのではないでしょうか)
◆背景
◆メニューやシステム画面等のその他のCG(ウィンドウやクリック待ちアイコンetcetc.)

など色々あります。
これを、実際だれが担当するのか、作業の割り振りをします。

どれだけのものが必要なのかは、なるべく最初のうちに洗い出しておき、また誰が担当するのか、責任の所在を明確にしておきましょう。
ここを曖昧にしておくと、トラブルの素になり、また制作遅延の種になることもありますので、最初のうちにメンバー内でよく話し合ってください。





■イベントCGの種類■

まずは、イベントCGについてお話しします。

イベントCGとひとくちに言ってもそのゲームの中で果す役割によってふたつに大別できます。
実際にCG指定の作業に入る前に、それぞれの種類ごとに使い勝手が変わってくるということを把握しておいたほうが、演出や、作業のスケジュール配分もしやすくなります。

ひとつめは、曖昧な、どうとでも取れるイラスト。
例えば「ヒロインと一緒にお昼ご飯を食べている」という場面で、箸を手にしたヒロインが開けたお弁当箱を前に微笑んでいるイラスト。
例1

このイラスト一枚を表示している間に「お弁当を食べ始める→主人公が味にびっくりする→微笑ましい会話が続く……」と、結構な分量のある文章の『間』を持たせることになります。
その一方、絵自体が曖昧なものになるので、焦点がぼやけたような絵になりがちです。


もうひとつは、その場面のその文章一カ所でしか使えないイラスト。
例えば「主人公が敵の弱点である額の紋章を斬りつけた」という場面で、剣を手にした主人公が敵の額を斬りつけた、まさにその瞬間を描いたイラストです。
例2

このイラストは「主人公が敵の額を斬った」という部分やその前後のみで表示できる、というように使える用途が限られてきます。
ですが、インパクトの強い絵が描きやすくなると思います。


もちろん、この両極端に分けられるわけではなく、それぞれの中間や、どちらか寄りになっているものがあります。
たとえば、戦いの場面で「降り注いでくる攻撃を、主人公が剣をかざしてこらえている」という絵であれば、戦いのシーンで間を持たせる絵として使えるでしょう。
例3


用途によってイラストを使い分けることを意識して、CGを起こしていきましょう。




■イベント絵の配分■

次に、イベントCGをどの場面に配分するかを決めます。
例えば、10枚イベント絵を用意したいのであれば、お話の中でどの場面にイベント絵を配分するかを考えます。

これは演出家次第なのですけども、シナリオのテキスト配分できっちり10等分して使おうとしても、ストーリー上イラストが必要なところに配置できなかったり、あるいは無理にイラストを入れることになったりしますし、
また前半でほとんどの絵を使ってしまい、後半で少ししか出てこない、というようなことがあると視覚的に淋しくなりますし、かといってどんどんイラストを増やすことになると絵描きさんの負担が膨大なものになると思います。
イラストの使いどころのメリハリを意識することは、演出の第一歩になると思います。





■いざ、CG指定■

さて、具体的なCGの指定についてお話しします。

必要な情報は5W1Hで説明しますと、
◆When いつ。時間。タイミング。 例:晴れた日の昼休み
◆Where どこで。場所。舞台。 例:学校の屋上
◆Who だれが。人物。行動主体。 例:主人公とヒロイン(このなかで誰を描くかは、アングル・画角などの指定を含めて、絵師さんとの相談次第です)
◆What なにを。対象。操作対象。 例:お弁当を食べている
◆Why なぜ。なんのために。目的。そのシーンの存在理由。 例:『ヒロインとの和やかな時間』
◆How どのように。いかにして。手段。実現方法。 ここは、細々とした指定です。『ヒロインは微笑みながら』のような、演技の指示のようなものです。

この5W1Hの他に、
・そのCGは間を持たせるCGか、一発もののCGにするか(上記の『イベントCGの種類』にて説明したものですね)
前回(『イメージのすりあわせ』にて)説明したようなシートを使い、文章に描写されていない情報(例えば、屋上のフェンスは錆びていて、その向こうには煙突が見える、とか)

残りの2点につきましては、わたし達の経験上では、最初に細々と指定をするより、絵師さんとライター(演出家)とのコミュニケーション上で、どこまで描き込むかなどを相談してすりあわせていった方がスムーズに作業が進むかと思います。

ここまでは絵師さん以外の人がCGを指定するやり方寄りな解説をしてきましたが、絵師さん主導でCGを指定していく場合にも以上のチェックポイントは役に立つと思います。




立ち絵や背景の指定などについては、また次回以降の講釈にて。
それでは!



文責:漣 夏海&銛 鯱丸(グリーンティミルク。)

絵と文、向かい合わせ。第一回に戻る
絵と文、向かい合わせ。第三回に進む

− 戻る −


inserted by FC2 system