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すろ〜ふ〜ど HowTo企画 『仕様書 後編』 |
今回の更新は「仕様書 -後編-」です。 前編はこちら。 若干別の方向に進んでるかもしれませんが、この文章は健全向けです。 自分の経験をふまえて書いておりますが、 ご覧頂いている方によっては全く参考にならないかもしれません。 その際はどうかご容赦ください。
○ 仕様書作りに燃えるA君 | |
初めてのゲーム制作に胸躍る中学生。ゲーム制作経験者のお姉さんに相談しました。 中学生なので当然ですが、創ろうとしているのは非エロのオリジナル創作。 今回はCGの仕様書を作っています。 |
○ コミケットが終わって力尽きてるお姉さん | |
年齢不詳のお姉さん。A君からゲーム制作について相談を受けています。 |
「お姉さん、仕様書のフォーマットが出来たよ」 |
「あら、比較的すぐに出来たのね」 |
「それほど悩んでもしょうがないかなって。 重要なのは仕様書の内容だと思うし」 |
「なんとなくいい事を言うわね。 では、とりあえず見せてみて」 |
「はいこれ」 |
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「ふむふむ。 前回の話し合いから少し変わってるけど、これはCG作業をするA君がこの方が都合が良いって事よね?」 |
「うん、『場面について』に演出に関連する項目をまとめて、総合的にかけるようにしてみた。」 |
「そう提案する場合、もちろん理由があるのよね?」 |
「もちろんだよ。 CGは光の加減や背景の処理でイメージがすごく変わるから 演出に適したコツみたいなのもあったりするし。」 |
「例えばだけど、『すごく怖い場面』なら 構図のひずみを強調する、全体的に暗くする、青い色を多めに配色する、とかね」 |
「それらを個別に書くことも、一つずつ指定する事も出来るようにと思って。」 |
「なるほどね、仕様書を書くときに大変そうだけど、CGはA君の担当範囲だし大丈夫だと思うわ。」 |
「ところで、フォーマットは概ねいいと思うけど・・・」 |
「けど?」 |
「カラーなの?」 |
「その方が見やすいと思って」 |
「そうね、それは否定しないけど・・・プリントアウトするのが高いわよ?」 |
「え、プリントしないとダメなの?!」 |
「今回のCG仕様書はA君自身がCG作業をするからいいけれど、 外注さんに頼む時はプリントの方がいいって言われる場合もあるわね」 |
「そうなんだ、でもそれならやっぱりカラーの方がいいんじゃない? 見る人もわかりやすいと思うし」 |
「もちろんそうよ。 でも中学生としては大変なお金でしょう?」 |
「大丈夫だよ、お父さんのインクジェットプリンタを勝手に使うから」 |
「・・・なるほどね、それで怒られないならこのままでいいと思うわ」 |
「うんうん、ではこれで決定。 さあ、ご飯食べに行こうよ!」 |
「ちょっと待ちなさい、私はまだ準備の途中なんだから」 |
「えーー、遅いなぁ・・・普通は身支度なんて10分以内だよ」 |
「女性はそうはいかないの!」 |
「・・・あの、お姉さん?」 |
「なにかしら?」 |
「昨年末の夜だけど、お姉さんがパジャマにコートを羽織ってコンビニで買い物してるのを見たよ!」 |
「!!??」 |
「大量のペットボトルとインスタントばっかり買ってたよ!!」 |
「・・・いいかしら、A君。 非常時って言葉の意味はわかるわよね?」 |
「うん、それぐらい当たり前だよ」 |
「非常時に、いちいち服を着替えてお化粧をしてから家を出るかしら?」 |
「あの日は火事も地震もなかったよ?」 |
「ええ、でも『コミケ一週間前という現実』があったのよ」 |
「・・・・・・」 |
「まさにあれはやむを得ない対処なの、わかったかしら?」 |
「と、とりあえず頷いておくよ」 |
「ええ、賢明な判断ね。 それからその事は誰にも言っちゃダメよ」 |
「わ、わかったよ。 だからお姉さん、笑いながら手にメリケンサックをはめないで・・・」 |
「ふふふ」 |
「さてご飯も食べた事だし、もう少し頑張りましょうか」 |
「うん、次はこのフォーマットに書き込んでいけばいいの?」 |
「ええ、そうよ。 でも今すぐ書き込めるの?」 |
「全部は無理だと思うけど、あらすじを考える時に、 いくつか『これは絶対欲しい』ってイベントがひらめいてるんだ」 |
「なら、それを試しに書き込んでみて」 |
「うん、わかったよ」 |
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「大体こんな感じかな」 |
「ふむふむ、見かけによらず指定はきっちり書くわね」 |
「企画書の作業が地味だったから、仕様書はなんだか楽しいもん。 それにCGは自分でやるから勝手がわかるし」 |
「なんだかあまり言うことがなくて私が困るわ・・・」 |
「なら、OKってこと?」 |
「ええ、CGの仕様書としては特に問題はなさそうね」 |
「よかった、思ってたよりすぐ終わったよ。」 |
「後はこれを全てのイベント分、制作するだけよ」 |
「まだ未定のイベントはどうすればいいの?」 |
「枠だけ作っておくといいわ、その場合ファイル名をどうするかは慎重にね」 |
「とりあえず連番からは外しておくよ。」 |
「そうね、それがいいと思うわ」 |
「それじゃ、今日の作業はこれで終わりだね」 |
「あっ!」 |
「どうしたの、お姉さん??」 |
「い、いえ、なんでもないのよ (ここで話が終わるとA君はお泊りせずに帰っちゃうじゃない)」 |
「すごく焦ってるみたいだけど・・・」 |
「ううん、それよりA君・・・予定より早く終わった事だし、Wiiスポーツで遊ばない?」 |
「え、お姉さん、Wii買ったの?」 |
「ええ、発売日にね。 冬コミまで封印してたけど・・・」 |
「いいなあ、やりたいやりたい!!」 |
「それじゃ仕様書の準備が予想より早く終わったし、ゲームでいっぱい遊びましょう」 |
「うん、じゃあお母さんにお泊りするって電話してくるよ」 |
「──────っ!! (すぐ、早く、迅速に電話しなさい)」 |
「そんな、お姉さん・・・」 |
「どうしたのかしら?」 |
「狭いからってそんなにくっつかなくても・・・ それに、何か当たってるし・・・」 |
「当たってるんじゃないわ、当ててるのよ」 |
「それは打ち切りフラグだよぉ・・・」 |
「でも、A君だって嫌じゃないみたいだけど」 |
「・・・・・・だって、ちょっとドキドキするし」 |
「ほら、捕まえた」 |
「ダメだよ、そんなことされたら僕はもう、動けない・・・っ」 |
「ふふふ、A君のハニーがかわいいわ」 |