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すろ〜ふ〜ど
HowTo企画

『仕様書 前編』
 

今回の更新は「仕様書 -前編-」です。
CGの仕様書、音楽の仕様書、プログラムの仕様書・・・
ゲームを作るには色々な仕様書が必要になります。

自分の経験をふまえて書いておりますが、
ご覧頂いている方によっては全く参考にならないかもしれません。
その際はどうかご容赦ください。
○ 仕様書作りに燃えるA君
A 初めてのゲーム制作に胸躍る中学生。ゲーム制作経験者のお姉さんに相談しました。
中学生なので当然ですが、創ろうとしているのは非エロのオリジナル創作。
今回は仕様書を作るみたいです。
○ コミケットが終わって力尽きてるお姉さん
B 年齢不詳のお姉さん。A君からゲーム制作について相談を受けています。
ショタ好きの優しい人ですが、コミケが終わってほっと一息です。


■どうでもいい発端(HowTo企画書から続いてます)

A「あけましておめでとうございます」
B「あら、A君。遅いけれどあけましておめでとうございます」
A「お姉さん、今年もよろしくね!」
B「・・・・・・・・」
A「どうしたの、新年早々渋い表情をして?」
B「・・・・・・渋いんじゃないわ、怒ってるのよ」
A「何かあったの?」
B「A君、何か忘れてないかしら?」
A「えっと、あ、まだお姉さんからお年玉を貰ってないよ」
B「そんなことじゃなくて、去年何か忘れてない?」
A「???」
B「12/24・25、A君は何をしてたのかしら?」
A「えっと、クリスマスだよね? ・・・・・あああっ!」
B「冬コミ前のその時期に一日スケジュールをあけるのは大変だったわ。」
A「もしかして、待ってたの?」
B「・・・・・・(コクリ)」
A「ご、ごご、ごめんなさいっ」
B「・・・それだけ?」
A「えっと、えっと・・・あ、あのね、今から一緒にお茶なんてどうかな?」
B「ふーん」
A「そ、それから夕食もお姉さんと一緒に食べたいなぁ」
B「・・・へー」
A「あ、あと・・・今日は仕様書について聞きにきたんだけど、夕食も食べて遅くなるならお泊りしようかな?」
B「ほー・・・・・・っってなんですって??!!!」
A「ダメ?」
B(・・・冷静になりなさい、私!! お泊りしたとしても手を出しては犯罪なのよ・・・・)
A「あ、でもお姉さんの部屋ってベッドが一つしかないんだよね。
 僕は別にいいけど・・・お姉さんは困るよね」
B(冷静に・・・れいせいに・・・レイセイ・・・・・・無理ッ!!)



■そもそも仕様書って何?

B「さあ、張り切ってのんびり仕様書を作るわよ!!」
A「お、おーーーっ!」
B「で、早速なんだけど何の仕様書を作るの?」
A「何のって?」
B前回までの話で、仕様書が必要なのはCG・音楽・スクリプトよね。その中のどれ?」
A「うーんっと、とりあえず全部作りたいんだけど、それぞれ違うの?」
B「ええ、考え方は基本的に同じだけど、内容は全部違うわよ。」
A「あのね、お姉さん。 僕はまだ仕様書がどういうものかよくわかってないんだけど・・・」
B「あ、ではその説明からした方がいいかしら? 大丈夫、時間はたっぷりあるわよ」
A「うん、じゃあお願いします」

B「そもそも仕様書っていうのは、各素材の指示を書いたものなの。
 わかりやすく『イベントCG』で言うなら、まず何を描くのか。
 キャラクターAなのか、Bなのか、二人同時なのか?
 構図はどんな感じか、時間帯は昼なのか夕方なのか、夜なのか?」
B「今回A君は自分が企画者だから、A君はゲームの全てをわかってるけれど、
 協力してくれる人は、細かい説明がないと何を創ればいいかわからないの。
 だからA君が細かい指定を書いて、お願いするの。 それが『仕様書』よ。」
A「ふむふむ」
B「だからA君の頭の中にあるイメージを、文章にする必要があるわね」
A「結構難しそうだね・・・」
B「仕様書を読むのも人間だから、文章力に自信がなくても補って読んでくれるわよ
 ・・・常識の範疇で。」
A「ぼ、僕の文章力は大丈夫だよ! シナリオも僕なんだし!」
B「そう信じるわ。 それから仕様書で重要なのは『読みやすさ』ね。
 普通はPCで創るから大丈夫でしょうけど、殴り書きの文字とかは駄目よ」
A「ちゃんとワープロを使えば大丈夫?」
B「そうね。当たり前だけど読みにくいフォントを使ったりしないでね」
A「ねえ、さっきの例でイベントCGの場合だけど、構図は文字で説明しないと駄目?
 簡単な絵で描いた方がわかりやすいと思うんだけど。」
B「絵が描ける場合、もちろんその方がいいわね。
 構図については、絵があれば細かい角度や演出も伝わりやすいわ。」
A「やっぱりそうなんだ」
B「絵が苦手な人でも、Poser等を使って、こんな感じって指定をつける人もいるわ」
A「うわ、このソフト・・・かなりすごそうだね」
B「私には男がマッチョなのが不満だけど・・・」



■仕様書作成の手順

A「とりあえず何をすればいいかは大体飲み込めたよ!」
B「では、早速作ってみましょうか。」
A「うん! まずは先ほどの話の続きでCGの仕様書を作ります!」
B「そうね、CGはA君自身が担当するし、
 『自分にとってどんな資料があればいいか』を考えれば出来ると思うわ。」
A「あれ・・・だとすると僕が担当しない作業はどうすればいいの?」
B「それはもちろん、最初の打ち合わせで『どんな資料が欲しいですか?』って聞くのよ
 人によって、ガチガチの指定がいいって人もいれば、ある程度お任せでやりたいって人もいるわ
 なので、その相手に合わせて仕様書を創るのが一番ね。」
A「つまり、仕様書を作るときに一番最初にするのは、話し合いって事?」
B「そうなるわね。」
A「その次にするのは?」
B「話し合いを踏まえた上での、フォーマット(テンプレート)作りね」
A「フォーマット?」
B「それは、口で説明するのは難しいわね。実際作ってみるのが一番だと思うわ。」
A「じゃぁ、とりあえず話し合いをしてみるよ、僕が、僕と」
B「・・・ちょっと大人の事情でそれは都合が悪いから、私も協力するわ。」
A「ありがとう!」
B「じゃぁ、私が仕様書を作る立場として、A君はCGを描く人だと思ってね。」
A「うんうん」
B「まず、仕様書に書く項目なんだけど、ざっと考えてこれぐらいでどうかしら?」
■イベントCG仕様書

 ・イベント名
 ・ファイル名
 ・登場キャラクターと服装
 ・差分
 ・時間帯(昼・夜・夕方)
 ・光源(左から 下から 逆光等)
 ・簡単な構図(イラストで)
 ・背景(場面)


 ※  CG着色の事も含めた仕様書としています
 ※  別途、そのイベント中のテキストも資料としてあるといいです

A「えっと・・・こんなに細かいの?!」
B「そうね、これぐらい書いていれば悩む事は少ないでしょう?」
A「そうだけど・・・逆にちょっと縛られすぎてる気もするよ」
B「具体的にはどのあたりが?」
A「えっと、僕が絵を描くなら光源とか背景とかは相談したいなぁって思う。」
B「なら、それは最初の話し合いのときに打ち合わせればOKよ」
A「あ、なるほどね」
B「ただし、企画者も頭の中でCGのイメージをある程度作っているので、
 『このCGだけは逆光でお願いします』みたいな指示をお願いされる事もあるわ」
A「それは臨機応変でいいんじゃない?」
B「ええ、もちろんよ」
A「なんだか、考えていたより仕様書は簡単そうだね」
B「・・・でも作りはじめていると結構手間なのよ。
 特に自分の専門分野じゃない事はすごく悩む場合も多いわ」
A「そうなの?」
B「ゲーム制作はCGでも音楽でも、それぞれが専門的だから難しいのよ。
 特に専門用語が多い分野は大変ね・・・」
A「話が通じないとか?」
B「企画者がある専門用語を知らなくて
 仕様書にすごくいっぱい文章を書いて説明したとするわね。
 専門職の人は時間をかけてその文章を必死に読んで、あ、アレのことかって気づく。」
B「専門用語をお互いに知っていればすぐなのに、二人ともすごく回り道をするのよね・・・」
A「なるほどね・・・でもそれはどっちが悪いってことでもないでしょう?」
B「ええ、二人とも真剣だからこそ起こるのよね。
 今回、初制作のA君は用語なんてほとんど知らないでしょうから、大変だと思うわ」
A「・・・こ、心して頑張るよ!」



■そして夜になりました

B「ところでA君、そろそろお腹が空いてきたと思わない?」
A「うん、確かに空いてきたよ!」
B「話もちょうどいいところだし、続きは明日にして・・・」
A「そうだね、あ・・・夕食も僕がおごるんだっけ」
B「ううん、今日のA君は頑張ってたからお姉さんがご馳走してあげる。
 それに、精のつくものを食べないとね。」
A「お肉がいいなぁ!!」
B「ええ、いいわよ、いいわよ。(ふっふっふ)
 じゃあ私は着替えてくるから、A君はその間に宿題」
A「ええー、宿題?」
B「さっき話した仕様書の項目を、綺麗にまとめたテンプレートを作ってみて
 パソコンは私のを使っていいから。」
A「表を作るみたいにすればいいの?」
B「そうよ、どの項目をどれぐらいの大きさにするかが重要ね。」
A「わかった、頑張ってみるよ!」
B「では、イロイロな事の結果は次回更新で! (グッドラック、私)」

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