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HowTo企画

『プロットワーク』

index:

プロット第一回目「プロットとは何か」
プロット第二回目「イメージは全ての根元」

プロット第三回目「あらすじがプロットの中心」
プロット第四回目「プロットのまとめ方」

第一回「プロットとは何か」

■ 前書きなんかをぐだくだ

● 文明世界はイメージで出来ています。

人間が作り出した物というのは全てイメージから作られます。
科学でも創作でも、人間が作る物というのは、すべて人間の脳の中にあるイメージを外界に出した物なんですな。

たとえば、物を良く見たいという、願望がまずあって、遠くを見る望遠鏡や、小さい物を見る顕微鏡が発明されたわけです。
人間世界の全ての物はイメージによって発生するんですね。

物語なんかも、作者のイメージを外界に出す物と言えます。

プロットワークというのは、物語を脳の中から外に出す時に使う技法の一つであります。

● 実を言うと

プロットなんか作らなくても、物語は書けます。

テクニック無くても、霊感があればなんとかなってしまう物だったりします。
霊感(ひらめき)率が高い作品を作る人を天才といいますです。
プロットワークというのは、作業の手順です.
あんまり霊感よりの技術ではないのですな。

ですが、霊感は理屈で捉えられませんが、プロットワークの方はノウハウなので理論で捉える事ができます。
実際に大抵の作家さんは、霊感半分、理論半分ぐらいで進行している人が多いとおもわれます。

あと、作家でない方、企画系の方はプロットワークの基本を覚えないといけません。
企画書を作るときにプロットワークの基礎が無いと能率悪いからですね。

プロットワークの半分は、お話を人に説明しやすくするための整形の仕方で出来ています。

「なんかすごいの、血がこう、どばっとでてね」
とか曖昧に言うよりも

「 つまり、読者にヒロインと思わせていた、この子が残酷に殺されることで、敵への怒りを主人公側にかき立てさせるわけね」
とか、言った方が解りやすいのですな。

プロットワークの知識が、何故必要かというと、物語について多人数で検討するときに、「共通の言葉」で語れるからなのですな。

「どばーっ!」とか「すげえのっ!」とか言っても、聞いてる方は解りません。

頭から出た曖昧なイメージを整形して、語れるようにする。
それがプロットワークであります。

●プロットの外側 (予防線)

プロットとは英語の意味では「陰謀」というニュアンスもあるらしいです。たくらみとか、くわだてなのですよ。
読者に向けて、作者が陰謀を仕掛けるのが「プロット」作業なのです。ひっかけて騙して驚愕させる企てなんですね。

断っておかないと勘違いする人がいるのですが、プロットワークについては正解というものは無いのですな。
書きたいジャンルや方向性、資質によって千差万別です。
一定の型のような物はあるようなのですが、背景のパースのように完全な正解! という感じの法則はないようです。

なので、「奴のプロットの作り方は間違ってる!」とか怒ってはいけませんです。
正解が無いので、どれもある程度は間違いですし、ある程度は正解です。
とりあえず知識として読んでみて、効果がありそうなら試してみてください。
あわないと感じたら、そういう作り方をしている人もいるのだなあ、ぐらいな感じに思ってくださいね。


図1-1 プロットワークの概念図

■ プロットワークの概要

● どこら辺の作業がプロットワークなのか

プロットワークの範囲はどこまで担当するかによって変わります。
シナリオライターならば執筆中も入ると思います。作業中にお話の方向転換や組み直しが出来るからですな。
企画者であれば、企画書を作成する所までがプロットワークです。
だいたいストーリー立案と作品構成作業の総称をプロットワークと言います。


図1-2 プロットワークの範囲

● ストーリーとプロット

用語の定義の話なんですが、ストーリーとプロットは違う物です。
ストーリーというのは、物語の時系列にそった流れで、プロットとは、作品全体として物語をどう見せるのか、という物です。
ストーリーはお話の原型で、プロットは演出(並び替え)が入った物と言えます。

ストーリーはそのお話の、何がどうしてどうなったのかが順番に並んだものと思ってください。
プロットは、そのお話を切り取って、どこを見せて、どこを見せないかを決める編集の手が入った物です。

物語を思い浮かべるときには、たいていストーリー順に浮かぶかと思います。
で、それをプロットとして切り取ります。
例えば、過去からの因縁等がある場合、それをどこの時点で明かすか、どう語るかを決めるのがプロットです。
最終的には読者の頭の中で、ストーリーの形でお話が落ち着きます。


図1-3 ストーリーとプロットの関係

じゃあ、最初からストーリーの形で語れば良いのではと思ってしまいがちですが、ストーリーとは語り用になってないのですね。
生のストーリーで語ると、もっさりした場面が続いたり、解りにくかったりします。
そこで、プロットを整理したり、切り口を変えてみたりして、興味を引くシーンの連続でお客さんを飽きないようにする、それがプロットワークなのですな。

みうらじゅんさんの話で「進化する親戚のおばちゃんの不幸話」というのがあるんですな。
みうらさんが実家に法事で帰るたびに、 同じ不幸話をするおばさんが居たそうなんです。
で、毎年同じ話なんだけど、だんだんとお話として進化していったそうなんですな。
要らない前置きはすくなくなり、山場が微に入り際に入り、どんどん面白くなっていったそうな。

この場合のストーリーとはおばさんの実体験の不幸ですね。
そしてプロットに当たるのが、語り口調の方です。
整形されて、シンプルになり、面白くなるわけです。

お話の整理の方法がプロットと言えます。
同じストーリーラインでも、プロットワークの善し悪しによって、面白くなったり、つまらなくなったりするわけですよ。

まとめ

では今回は「プロットワークとはストーリーを伝えるための手法である」という感じで、この項を閉めさせていただきます。

次回は「イメージは全ての根元」という、アイデアワークあたりの話をしたいとおもいますですよ。

ではでは。


文責:サカナ・ノベル

プロット第一回目「プロットとは何か」
プロット第二回目「イメージは全ての根元」

プロット第三回目「あらすじがプロットの中心」
プロット第四回目「プロットのまとめ方」
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