タイトルロゴ
同人ゲーム制作を語らうゆっくりとしたメディア

すろ〜ふ〜ど
HowTo企画 投稿HOW-TO

『ステップアップ演出技法』

★ ステップアップ演出技法 ★


ノベルゲームのシナリオは、テキストそのものだけでなく「演出」も重要になります。
今回は、こんな演出方法があるよという小ネタについてお話しいたします。




◆ノベルゲームにおける演出

■演出とは■

そもそも演出とは何でしょうか。言葉にして説明しろと言われると、案外答えづらいのでは ないでしょうか。手持ちの辞書を見てみましたが、

俳優の演技や舞台装置、効果などを監督・指導して、脚本や映画・劇などに表現すること。

などと書かれています。人に説明する時は、これではちょっとわかりづらい感じですので、 一言でまとめてみます。

その場に合わせて雰囲気を出す。

これならわかりやすいのではと思います。ノベルゲームは演出が大事とよく言いますが、 「シーンに合うように雰囲気を作ること」が大事というわけです。当たり前のようなこと ですが、とりあえずは確認ということで。




■演出は静的と動的、大きく分けて2種類■

ノベルゲームにおける演出にはどのようなものがあるでしょうか。ノベルゲームは大まかに 分けて、文字、画像、音で構成されます。つまり、この3つを上手に使うのが、優れた演出に 繋がると言えるでしょう。
さて、演出には大きく分けて「静的」「動的」と2つのものがあります。

・感動のシーンではゆったりと叙情的な音楽を使う
・爆発などが起きるシーンで、画面を白くさせたり揺らしたりする
・大声を出す時、フォントサイズを一時的に大きくする

これらのように、画面上で見た目には変わらない、あるいはさほど動かない演出を本稿では 「静的」と定義します。とりわけ音楽の比重は大きく、「このシーンにこの歌は反則だろ」 ということがしばしばあります。対して、

・キャラクターの立ち絵を動かす
・背景を徐々に拡大させ、主人公が走っている感じを出す

これらのように、画像を単に切り替えるのではなく、ダイナミックに動かす演出を「動的」と します。ノベルゲームは基本的にはあまり動かないものですが、こうした演出を取り入れることに より、テレビドラマや映画のような躍動感を、わずかながら出すことができます。




◆ちょっと工夫した立ち絵演出

■大きさの異なる立ち絵を複数用意する■

「シーンに合った音楽や背景画面を用いる」など基本的な演出については、特別意識しなくても 理解ができると思いますので、本稿では触れないことにします。表題が「ステップアップ 演出技法」なので、商業作品でも使われるような、カッコよさげな演出を紹介したいと 思います。今回は立ち絵の効果的な使い方についてです。

キャラクターを表示する際、太股あたりから上を表示するのが一般的ですが、ここで他の 大きさの種類の立ち絵を使うと、グッと雰囲気が出てきます。

近距離の大:「腰から上」
通常用の中:「太股から上」
遠距離の小:「脛、あるいは足首から上」

という感じで、通常使う「中」の他に、「大」と「小」の立ち絵を用意します。たとえばヒロインが 主人公に接近するような場面では、「大」の立ち絵を使うのです。また、遠くから友人が 声をかけてきたというような場面では、「小」の立ち絵を使います。実際に画面で見て みましょう。


デートのシーンで。密着ぶりがわかります


大と小の複合。ふたりの距離が離れていることが明確になります

サイズの異なる立ち絵作成は、PSDファイルなどから変換する際、縮小率を変えるだけで できます。ファイル数が多くなって容量が増えてしまいますが、それだけの価値は確実に あります。




■普段用とは別の「夜用」を使う■

たとえば夜、ろくに明かりのないところに立つ人影というのは、当然のことながら暗く見えます。 この時、昼間に使うのとは別の、ちょっと暗めの立ち絵を用意すると……。



どちらが夜にふさわしいでしょうか? 一目瞭然ですね。上記の画面では、指定した画像を 暗くするという命令によって、この効果を実現しています。画像編集ソフトでひとつひとつ 暗いパターンを作っているわけではありません。お手元の制作ツールを確認して、そうした 命令ができるかどうかを確認してみてください。他にも、夕暮れの場合はほんのり橙色に するなどが考えられるでしょう。




いかがだったでしょうか。今回ご紹介したふたつは、画像にちょっと工夫を加えるだけのもので、
さほどの手間がかかるものではありません。しかし効果は高いので、ぜひ取り入れてみてください。

文責:アライコウ(Project Lips


− 次へ −
− 戻る −


inserted by FC2 system