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同人ゲーム制作を語らうゆっくりとしたメディア

すろ〜ふ〜ど
HowTo企画

『ディレクター編(1)』






今回から何度かにわたりまして、同人ゲーム制作における
『ディレクター』というポジションにつきまして、
ちょっとしたお話をさせていただくわけですが、
その前に少し、確認したい事がございます。

これまで、私は同人ゲームにおけるHowto的なものを
書いて参りました。今回もそういった物を求めて、
『こうやったらディレクションが上手くいく』というような
類の物を求めていらっしゃる方もいるかと思います。

ですが、残念ではありますが、私がこれから書いていく事は、
そうしたわかりやすい物にはならないと思います。
ディレクションと一口に言っても、その状況に応じて
臨機応変にやる事が変わりますし、一つの解答を出すなど
おおよそ不可能であるからです。


あと、ディレクションをこれからやろうと考えていて、
もしそれを名誉職のような物と思い、担当する方がいらっしゃいましたら、
悪いことは言いませんので、すぐに別の事をされた方が
賢明かと思われます。はっきり言いますが、間違いなく体か心を壊すと思われます。

のっけから暗い話の連続で恐縮ですが、
ディレクションとはそういう仕事だと認識していただければ、
多少辛いことがあっても乗り越えられるかもしれないと、
前向きにとらえていただければ幸いです。


■対象

今回の読み物の対象となる方についてですが、

・これからディレクターになる人
・やってみようかなと考えている人
・やりたくなかったけど押しつけられてorやる奴がいなくて、
 でも出来るだけ失敗はしたくないと思っている人


こういった方に向けて書いていこうと思います。

つまり、既にディレクターを経験している人や、
今後ディレクターをやる予定が一切無い人にとっては、
おおよそ役に立たない物になること請け合いです。

もちろん、上記に該当する人が読んで役に立つか
どうかも未知数なのは同じですが、それでもまだ
符合する部分が多いだけ可能性は高いのではないかなと。

ちなみに、今回取り上げていくのは基本的に
『同人ゲームのディレクター』職についてです。
映像や音楽のディレクターはもちろん、商業ベースでの
ディレクターについて言及する事はありません。
(ゲームを作る事自体は同じなので、該当する事も
 多少はあるかもしれませんが)


■ディレクターとは

私個人の今までの経験から、
同人ゲームにおけるディレクター職というのは
下記に挙げられる役割を執り行う人と考えております。

・ゲームの基本設計を考え、仕様化する
・それに基づいてスタッフ構成を考え、集める
 (スカウト等もこれに含めます)
・予算を集める
・仕様から素材の点数を決め、発注する
・スケジュールの管理をする
・トラブル処理(なだめるなぐさめるはげます含む)
・作業環境(精神的・物理的)の整備
・素材の組み合わせ指示、もしくは実作業(スクリプト)
・パッケージング
・頒布時の各種処理、雑務
・ボイスや主題歌がある場合はその手配
 (これは、音楽スタッフが行う場合もあります)


ざっと挙げますとこんな感じでしょうか。
これ以上に色々やっている人ももちろんおりますし、
逆にもっと少ないという人もいらっしゃると思います。

一つ言える事は、ディレクターが兼業する部分が
多ければ多いほど、クオリティーやバランスの部分で
プラスになる箇所が多い反面、完成までの時間を
より多く取られることになります。

よく見受けられるのは、企画・シナリオを兼任するという
タイプですが、ディレクターの諸作業に押されて、
シナリオがいつまで経っても上がってこない、という状況が
非常に多く見受けられます。もしくは、書いても書いても
終わりを決めることが出来ず、結果的に3メガ書いても
半分版、なんてゲームが出来上がる事もしばしばです。

そして、ディレクターがもっとも胃を痛めるのが、
スタッフの逃走・連絡の不通です。
ゲームで遊んでて遅れましたとかならまだ可愛い方で、
全データを所持したまま雲隠れとか、進捗で調子の良いこと
ばかり言ったままマスターぎりぎりで逃走とか、
とかくこの業種にいると、様々な面白エピソードを耳にします。

そうなると、ディレクターは代わりを探すことになるのですが、
もし居なかった場合、ディレクターはその抜けた穴を自分で
埋めるような事もあります。自分はかつて、商業ベースで
似たような状況になったことがありますが、
同人でもそういった話はとてもとてもよく聞きます。


■辛くて辛い仕事

絵描きとライターと音屋とプログラマーとやり取りを行い、
失敗をすると突き上げを喰らい、成功するのが当たり前、
同人屋同士の飲み会でも会話のネタが無く、スケブを書く事も
演奏することも気の利いた文章を書くことも出来ず、
ただひたすら指定を送り催促のメールや電話を優しく送り飲み屋で
潰れたスタッフを車で送り自分は酔うことも出来ずに家に帰ってから
350mlの缶ビール一本で天井が回

すみません、途中からかなり個人的な話になりましたが、
こうした面倒な事を山ほど抱え込まされ、しかもほとんど報われることが無いのが、
ディレクターという仕事なのです。

でも、ディレクターがいないとゲーム制作は成り立ちません。
おそらくは、ディレクターという職業に就いている人のほとんどは、
この一点を自らに言い聞かせるように、日々の矛盾に立ち向かっている
のではないかと思います(推測)。

そんな地獄へ行く前に少しでもアドバイスが出来ればと思い、
今回の企画はスタートしました。何か少しでも、制作現場を
スムーズにするヒントがあれば幸いに存じます。

次回は『人間関係的制作環境』というテーマで、
お話ししたいと思います。それでは…。

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