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すろ〜ふ〜ど
HowTo企画

『デザイン編(1)』

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デザイン編:3

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同人ゲームにおける最も重要な要素は何でしょうか。
絵・シナリオ・音楽と、大体この3種を挙げる方が多いと思います。
実際に自分もそう思いますし、この3種が高次元でまとまってこそ、
初めて良作が生まれるのだと思います。(もちろん、例外もありますが…)

ですが、上記3種においていい素材が集まっても、
それをパッケージやチラシ・ポスター、タイトルロゴなどで
活かすことが出来ないと、非常に勿体ない事になります。

そこでデザインの要素が必要になるわけです。

しかし、ことデザインと言っても、絵師や音屋さん、ライターのように
なり手の多いパートでない分、なかなかそれに長けたスタッフを
見つける事は容易ではありません。仕方なくサークルリーダーが
代わりに作業する事となるのですが、出来上がった物を見て
頭を抱えてしまう方も多いのではないでしょうか。

今回のハウツー企画では、そうしたお悩みをお持ちの、
『デザイナーではないけどデザインをやるしかない』スタッフの
方に向けて、初歩的なアドバイスをさせていただきたく存じます。
担当してる人間がヘボデザイナーな為、あまり高レベルの話は
出来ませんが、それでも何かしらのお役に立てれば幸いです。


■デザインというものの相場

デザインなんて出来ないから人に頼もう、
という方も多くいらっしゃるかと思います。
これは間違いではありませんし、確実な仕上がりと作業工程を
求めるならばむしろ正解とも言えるでしょう。

 ※ここで、同人で安価にて請けてもらえるスキルの高い友人を
  お持ちの方は、特にこの項をお読みにならなくてもいいと思います。
  どうぞそのご友人を大切にされてくださいませ。

先にも話した通り、デザイナーは他のパートに比べて
あまりやっている人がいません。居たとしても、ウェブデザインとか
紙媒体の経験が無い方がほとんどかと思います。

ならばプロに頼めば…なのですが、デザイン費というものは意外に高額で、
下手をすると音楽や原画、塗りの予算を、単価レベルでは
超えてしまう事も多々あります。

ひとえにこの額が全てではありませんが、
いわゆるタイトルロゴをプロのデザイナーにお願いするとなると、
7〜20万円ぐらいが相場とお考えください。
(キオナチグラフィックスはもっと安価で請けております:笑)

話を戻します。このほかにもチラシやポスターといった
細々した物を含めていきますと、総額で30万円ぐらいになる場合もあり、
サークルレベルで易々と出せる額ではなくなってしまいます。

ならば、基本的なスキルを覚えて、お金をあまり使わず
そこそこ見られる物にするよう頑張ろうじゃないか、というのが
今回の企画なわけです。

自分も大層なもんじゃありませんが、共に頑張っていきましょう。





Winに基本で入っている書体、それがMSゴシックです。

デザインというとまずは書体を買わないと…という方が多いかと思います。
確かにそれは正解なのですが、いきなり書体だけ増えたとしても、
始めはどう使ったらいいのかがわからず、かえって混乱する事も多いです。

ここはまず、このMSゴシックを使って、文字の扱い方を
覚えていければと思います。


■ツメ・アケを利用する

ただ漫然と文字を並べただけでは、ノベルはいいとしても
デザインとしては意味がありません。

そこで文字間を調整して雰囲気を出していくのですが、
この項ではその辺りの話をしようと思います。

まずはこちらの画像をごらんください。



同じ文章ですが、字間の空け具合でかなり印象が違うのに
お気づきになったかと思います。

この辺を利用して、例えばサスペンス物や
陵辱物といった物の場合は、字間をギチギチに詰めて
圧迫感を出したり、爽やかな路線の物なら、字間を逆に
スカスカに空けて開放感を出したりと、演出出来るわけです。

※あくまでも典型的な例なので、この限りではありませんが。

また、字間を調整する際には、文字ごとに字間を調整した方が、
きちんとよく見えるようになります。面倒と思うかもしれませんが、
この辺りの地道な調整が、後の仕上がりに繋がりますので
頑張ってくださいませ。


■太字を効果的に使う

文字を太らせる事によって、強い効果を出す事が出来ます。



書体として太さが最初から何種類か存在する物なら
問題はありませんが、もし1種類しか無い場合でも、
文字周りを選択範囲で拡大してあげる事で、簡易的に
太らせる事は可能です。

※フォトショップの選択範囲の拡大や、イラストレーターだと
 線の設定が有効な手段でしょうか。

ただ、こうした簡易的な手段だと、濁音や句読点といった、
空き部分の少ない箇所が色で潰されてしまう可能性もありますので、
その辺はご注意くださいませ。


■文字の大小を付ける


これも有効的な手段です。

見せたい文字の部分だけを大きく、もしくは他の部分を小さく
する事によって、強調させる事が出来ます。

※ウェブではもうおなじみの手法ですが、
 意外に印刷物では見かけない事がまだあります。



これは『てにをは』の部分を小さくしてみた物ですが、
たったこれだけでも単語の部分がそれなりに際立ちます。

上記の太字と合わせて使用すれば、
かなり見せ方も変わってくると思います。


■実際に弄ってみる


字間・太字・大小の3つを組み合わせてみると、
例えばこんな感じにまで変化させる事が出来ます。



書体が限られているのでかなりダサダサですが(笑)、
それでも何かしらロゴっぽい感じにはなったと思います。

これに文字を縦や横に伸ばしたり回転させたり、黒地の矩形に置いて
白で反転させていくだけで、かなり変化させる事が出来ます。
フォトショップのレイヤー効果もいい手段ですね。

※レイヤー効果の効果的な使い方は次回ということで…。

ここまで読んで実際に興味を持たれた方は、
実際に手元のパッケージデータを見て、色々と調整してみては
如何でしょうか?意外と、次に作るパッケージの
ヒントになるかも知れませんよ?


■まとめ

第一回ということで本当に初歩の話だけでしたが、
如何でしたでしょうか?

文字だけでも、簡単に紹介しただけでこれぐらいの内容があるぐらいですから、これに図形などを絡めて行けば、いくらでも展開していける事が
おわかりいただけたのではないでしょうか。

ぜひ、最後の悪い例のようにはならず(笑)、
ご自身でいい文字の置き方を模索してみてくださいませ。
とにかく、まずは面倒がらずに興味を持ってさわっていくのが一番です。


さて次回ですが、自分の本職でもある『ロゴデザイン』を
制作の実例をふまえながら扱ってみようかと思います。ご興味をお持ちの方は、ぜひぜひ、お越しくださいませー。

半端マニアソフト:木緒なち

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