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『背景編』

 

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背景一回目「背景は大事ですよ」
背景二回目「水平線のかなたには」
背景三回目「一点を透視する」
背景四回目「二点で透視する」
背景五回目「三点透視、俯瞰と煽り&アイソメ立体」


背景三回目「一点を透視する」


三回目は一点透視図法をやります。
これが出来るようになると、一応室内が描けるようになります。



一点透視図法というのは透視図法の簡略表現なんですな。

一点透視法というのは、斜めの線を消失点へ、横向きの線を水平、縦の線を垂直にして、立体を表現する手法です。


図13-1-一点透視の箱

この図法は正面に見える面が真っ直ぐな四角形になるので、絵を描く時に解りやすいのですね。
特にドロー系のソフトで背景を組む場合に非常にスピーディに組み立てられます。
欠点としては、書き込まないと安く見える。書き込んでもなんかセットぽい感じがする所でしょうか。

欠点はありますが、透視図法を理解する為に一度は描いてみてください。
一点透視の概念を掴まないと二透視、三点透視は理解できないと思います。


図13-2-狭い部屋

この図法は特に部屋とか廊下とかを描くのに有利です。(屋外だと違和感が発生します)

こんな感じに、全ての斜め線を消失点に合わせます。



■一点透視法実作

まずは下準備

まず最初に、どんな部屋(廊下)かを想像します。

作例では、ヤクザ事務所を作ってみます。
グーグルなどで、ヤクザ事務所とか検索したり、漫画なんかで、事務所に存在するアイテムを調べます。

調べてみたところ、ヤクザ事務所とは、普通のマンションである・壁に提灯がある・壁に書が飾ってある・神棚がある・事務机、椅子がある・正面に組長の大きな机がある。等の特長がわかりました。
小さな組事務所だと、これに応接セットが入りますが、この事務所は応接室別としました。



図13-3 超てきとうなラフ

超適当なラフを取ります。
こんなに適当だと取る必要無いんではと思われるかも知れませんが、まるっきり無から起こすよりはラクチンです。


図13-4 ライン取りをする

こんな感じに解りやすい色の線で仮組していきます。
部屋本体>組長机や壁の物>手前の机 と遠景、中景、近景という感じにレイヤーを分けて組んで行くと、後々便利です。


図13-5 素早く組むノウハウ

ドローソフトを使ってる場合は、図13-5のように、消失点から伸びる三角形を描き(青の部分) そのうえに四角ツールで描いた垂直水平の矩形(緑の線の部分)を置いて、【パスの結合】命令などで、切り取りや交差で切り抜くと、簡単に上面、側面の線が一発で取れます。
図13-5の場合、青い三角と緑の線で 【パスの結合】-交差 で切り抜くと、組長机の上面が一発で出来ます。

くわしく、図解してみましょう。


まず最初に、正面に見える矩形を描きます。
ここではまあ、金庫な感じで幅や奥行きを考えて描きます。


消失点から線を延ばし、三角形Aを描きますます。


【パスの結合】用の四角形Bを四角ツールで描きます。


AとBを選択し、 交差で切り取ると、二つの図形の重なった部分だけが残ります。これで上側の面ができました。


側面も同じようにします。

四角を描いて。


交差! これで金庫の仮組が出来ました。
ちょっと、消失点に近いので形が歪み気味ですね。


切り抜きたい部分に四角を描いて、

今度は型抜きです。(切りたい部分が四角の中なら型抜き、外側なら交差です)


部品を書き込んで金庫の仮組の出来上がりです。

この手法の良いところは、黙っていても遠近規則に則って描けるという所です。
後での調整が少なくてすむんですね。


同じ手法を使って、どんどん仮組していきます。
絵を描く順番は、まず部屋の梁、柱、天井、床、壁の外側を描き。
次に、組長机、 ロッカー、提灯、神棚、ドア、窓の中景を描きます。
そして、手前の机二つを描きます。


図13-6 完成な感じ 使用作品「狗張子」

どんどん描いていくと完成します(笑) いえ、単に中間ファイルを取り忘れました。
色を付けながら、導線を動かして、角度をチェックしつつ、描いていきます。
色々細かい部分に処理を入れると、一点透視法でも意外に良い感じにかけます。

・机のパスをコピーして反転、透明度を薄くして乗せておくと、床が光ってる感じになります。


図13-7 角の丸め方

・出っぱっている角に白い線を置くと良い感じです。
・ドローを使うとやりがちなのですが、角がきちんと尖ってしまうと、嘘っぽいです。面倒ですが、四角いものの端はちょっと丸めると感じがでます。曲線が望ましいですが、細かい部分なら折るだけでも感じがでます。

今回は乗算で影をつけるのはやっていません。(時間がなかったのですな)影をのせるともうちょっとリアル度が増す気もしますね。


ドローで背景を組むと色々便利

ドローで背景を組むと、たとえば


図13-8 机の向こうに人

机の向こうに人を置いたりできます。
わりと、加工の自由度が高いのですね。

あと、透視図法では、連続する等間隔の物(升目、タイルなど)を作るときにこんな図法を使います。


図13-9 等間隔を作る為の図法

二つの線分のちょうど中間にもう一本消失点からの線を引きます。等間隔にしたい幅の水平線を引き、中央線と接する斜めの線を引きます。次に、その斜め線と中央線の接する部分にもう一本水平線を引き、そこから中央線に接する斜めの線をひきと、どんどん伸ばしていきます。
これで等間隔の線ができます。

え、作例では等間隔になってない? そうです、今回は勘で取りました。(だから薄い色で線を引いてあるのですね)


一点透視の魅力

駆け足で一点透視図法の説明をいたしました。
とりあえず、斜めの線が一つの消失点に消えるのが一点透視図法です。
学校の廊下なんかは、一点透視図法の天下ですね。というか、ニ点透視にしてもあまり意味はありません。
地道に形をとれば、良い感じになりますので、レッツ、一点透視! であります。
あ、それから、物の大きさや左右の長さを正確にしないと、感じが出ませんので注意注意。
写真とか図面とかを参考にして、大きさを取るといいかもしれません。

■今回の結論「パスの結合がドローでの早描きのコツ」

今回の手法はペイントでは使えません。
ペイント系の場合は直線ツールで地道に斜め線を取ってください。
あと、フォトショップのパスには、パスの結合命令が無いので、ちょっと無理かと。
イラストレーターなどで使う技であります。



今回も駆け足で一点透視図法を説明いたしました。
次回は「二点透視図法のやり方」をお送りしたいと思います。

文責:サカナ・ノベル



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