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HowTo企画

『背景編』

 

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背景一回目「背景は大事ですよ」
背景二回目「水平線のかなたには」
背景三回目「一点を透視する」
背景四回目「二点で透視する」

背景五回目「三点透視、俯瞰と煽り&アイソメ立体」




背景二回目「水平線のかなたには」
っあああ〜

二回目っす。まずは遠近法の基本について語ろうと思いマスですよ。
知識系のお話なので、のんびり読んでください。



遠近法っていうのは錯視を利用した描画法であります。

遠近法というのは画像上でわりとリアルに見える風景を描く為の方法であって、実際の目で見ている視野とは違う物なのでありますな。
その証拠に、二点透視や三点透視の中央から外側にはずれた部分は形がゆがみます。


図1 歪んだ二点透視

正常に見える範囲というのは、意外に狭いと思ってください。



人の視界は実は曲面でできてるのだ

なんで、範囲を外れた部分が歪むかというと、人間の視野は元々曲面で出来ていて、真っ直ぐに見えているのは脳内で補正してるからなんですな。
集中して、視界の端の部分を認識すると、実は曲線を描いている事が解ったりします。

余談ですが、魚眼レンズ風に描いたイラストや魚眼レンズ写真が妙なリアル感があるのはそのせいなんですね。
(これについての詳しい話は専門書をあたってください)

とりあえず、「ニ三点透視図法の外側あたりは役に立たないぞ」と言いたいのです。

ただ、内側は正確に計算で描画できますし、概念を基礎知識として覚えておくと、色々と役に立ちます。
あなたが、絵がかけなくても、絵描きの人に「うーん、水平線が斜めになってるね」とか「パースの大きさがちがうよ」とか言って煙にまいて嫌がられる事が可能です。



■水平線の基本

水平線は観測者の目の高さに引かれる

水平線の位置というのは、「俺」(「私」)の目の高さです。
遠近図法というのは、「俺」が見えている世界を描いてる訳ですよ。そこがファンタジーの町並みでもSF宇宙都市でも、画面の反対側に「俺」が居ます。

「俺」が大人なら水平線は高く、子供の「俺」なら水平線は低くなります。「俺」が猫だったらさらに低く、飛ぶ鳥だったら高くなります。

「俺」を観測者と言い換えてもいいですね。

とりあえず、水平線の位置は、「俺」に依存するわけですな。

「俺」がエロゲーの主人公の学生ならば、大体155cmあたりでしょうか。
「俺」が乙女ゲーの主人公ならば、143cmあたりですか。

とりあえず、観測者の目の位置に水平線が生まれます。


エロゲーの俺ならば、水平線に掛かる全ての物の位置は155cmの高さである。

遠近図法世界では、遠い電信柱でも、バスの車体でも、ゴジラの足でも、水平線に掛かってる位置は地平の彼方まで一定です。

たとえば140cmのロリっこが居たとして、この娘がどんなに頑張って遠くに行っても、概念的には水平線に掛かることはありません。無限に遠くに行き、見えなくなったとしても、155cmの高さの水平線に15cm足りない位置を無限に遠ざかります。
(概念無限平面を移動するとしての話。坂とか谷とか山とかがあれば、ロリっこの垂直位置が移動するので、水平線を横切ることがあります)



てな感じに、透視図法は物の大きさをリアルに配置する目印になるわけですね。
パースが揃っているというのは、遠近法規則に則った形で物の大小が揃っている、という事なのですな。

ロリっこやドラム缶に接する線は導線と呼ばれるものです。
透視図法世界では、消失点から出る二本の線分を使って、サイズ調整ができるのです。
つまり、消失点から出る二本の線分に掛かる場所が同じ所ならば、その二つの物体は同じ高さに在る。という事です。




心の中に水平線を作る

てなわけで、心の中に水平線を作ると、背景を組み立てる時に非常に便利なわけです。
心の水平線をくっきりと作るには、色々な絵のどこに水平線があるのか、観察して読み取って訓練するのが良いでしょう。
そうして水平線感覚が磨かれて行くと自分の中に水平線が出来てきます。

写真からトレスおこしする場合でも、零から新描きする場合でも、水平線があると無いでは出来上がりに差が付いてしまうわけですね。

■今回の結論「いつも心に水平線を」




今回はあらっぽく水平線のお話をしました。
次回は「一点透視図法のやり方」をお送りしたいと思います。

文責:サカナ・ノベル



背景一回目「背景は大事ですよ」

背景二回目「水平線のかなたには」
背景三回目「一点を透視する」
背景四回目「二点で透視する」
背景五回目「三点透視、俯瞰と煽り&アイソメ立体」

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